仕事と趣味 ―最初の日記―
かなり長いあいだ、
「趣味は仕事です」
と言ってきたように思います。
実際に、仕事が好きだから、そう言っていたわけですし、同じ仕事をするなら、楽しみたい、というのもありました。
でも、「趣味は仕事」というのは、困りものです。
時間さえあれば仕事。休日にも仕事を持ち帰り、眠る前には明日の仕事のことを考えると、寝つきがいい。
いくら本人が好きでやっているとはいえ、これは度がすぎるというものです。
転機となったのは半年ほど前の、会社員にはつきものの「人事異動」。
都心の本社から郊外の倉庫へ。通勤時間は二倍、デスクワークから力仕事に変わり、ネクタイをせずに作業服を着るようになりました。
「趣味」にはできない「仕事」です。
ここで、ようやく気づきました。
仕事は生活の基盤。趣味は生活の中の「遊び」や「ゆとり」。
仕事を楽しむのはよいことです。でも、楽しいからといって、遊びやゆとりを基盤にはできない。逆もしかりで、遊びを生活の基盤にしたら、遊んではいられない。
そこで、ふと思いました。
これから、何を楽しんでいこうか、と。
答えは簡単でした。
これまで、仕事を含めて楽しんできたことを、今度は仕事抜きで楽しめばいい。
往復約四時間の通勤も、好きに使える時間がそれだけあると考えれば、好きな本を読んだり、音楽を聴いたりできる。
そう思ったら、通勤は楽になり、新しい仕事もまた、楽しくなりました。
これから、そんな毎日で得た楽しみを、翻訳ミステリなどの読書と、聴きはじめたばかりのジャズを中心に、日記に書いていこうと思います。
どうぞよろしくお付き合いください。