2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【映画】ブラックサイト

ひさしぶりに映画を見てきました。 サスペンスものの『ブラックサイト』(米2007 原題 UNTRACEABLE グレゴリー・ホブリット監督)です。http://www.sonypictures.jp/movies/untraceable/ 犠牲者を拉致し、致死的な仕掛けの中に監禁。そのさまをネット上に公…

黄色い部屋の謎

ミステリの古典というのは、トリックがどうで犯人が誰だった、と、読みはじめた十代の頃の記憶がけっこう残っているからか、あまり読み返さないでいた。でも、小説というもの、ネタだけで書かれているものではない。読み返す楽しみを語った、石上三登志さん…

ジャズ初心者の名盤探し(3月)

ビル・エヴァンスからはじまって一か月、ひとまわりしたような感じで、エヴァンスに戻ってきた。ビル・エヴァンス / ワルツ・フォー・デビイ[+4]〈収録曲〉マイ・フーリッシュ・ハート/ワルツ・フォー・デビイ(テイク2)/デトゥアー・アヘッド(テイク2…

高安犬物語

ランダムハウス講談社文庫から、《戸川幸夫動物文学セレクション》の刊行が始まった。 今月発売の第一巻が『高安犬物語』で、続刊として『虎は語らず』、『人喰鉄道』(長篇)、『オホーツク老人』、『イリオモテヤマネコ』(ノンフィクション)が予定されて…

泡姫シルビアの華麗な推理

一昨年だったか、泡姫さんとミステリの話をしたことがある。 ソープランドに遊びに行ったときに、というわけではない。 一人カウンターで飲んでいて、たまたま隣の女性と映画のことをしゃべっているうちに、アガサ・クリスティ原作の映画で好きなのはどれか…

ぼくのジャズ入門(2)

初心者の気軽さで、薦められるものは聴いてやろう、と、山下洋輔トリオ『キアズマ』を聴いては「なんだかよくわからんが面白い!」と思ったり、『ヘレン・メリル ウィズ クリフォード・ブラウン』を聴いては「ニューヨークのため息」のやさしさと、夭折のト…

ぼくのジャズ入門(1)

ビル・エヴァンス・トリオの『ポートレイト・イン・ジャズ』を聴いたのが、この二月はじめのことだから、ジャズにはまって、実はまだ日が浅い。 でも、そんな初心者が、それからの一ヶ月で何を聴いたかまとめておくと、「実践的ジャズ入門」のようなものにな…

夜明けの睡魔

1980年代の《ミステリマガジン》に絡んだことを、トルーマン・カポーティとフィリップ・マクドナルドについて書いたとき、それぞれ触れてみたら、瀬戸川猛資さんの『夜明けの睡魔』を読み返したくなった。 この類稀な海外ミステリのガイドブック、もしくはミ…

ライノクス殺人事件

ミステリを語るさいに「意外な結末」とはよく申しますが、この小説の結末というのも、なるほど意外なものです。 その結末というのが、物語のいちばん最初に、あるのですから。 どんな結末か、などというと、普通は怒られてしまうものですが、これに限っては…

無国籍哀歌 錆びた拳銃

谷弘兒さんのコミック単行本が、ひさびさに刊行された。 前に出た本が『快傑蜃気楼(ミラージュ)』(青林工藝舎 2002)だから、6年ぶりということになる。 谷さんの『薔薇と拳銃』(東考社桜井文庫 1983)を、ぼくが手にしたのは、東京に出てきたばかり、ま…