2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
最近つくづく思うことだが、人と同じで、良い出会いかたのできる本と、そうでない本がある。古典とか名作とかいうものには、ことにそれがはっきりするようで、実はスティーヴンスンの『宝島』は、良い出会いができなかったほうになる。 最初に手に取ったのは…
〈収録曲〉ルック・アウト / ジャーニー・イントゥ・メロディ / リターン・エンゲージメント / リトル・シェリ / タイニー・ケイパーズ / マイナー・チャント / (BONUS TRACK) ティン・ティン・デオ / イエスタデイズ / リトル・シェリ(シングル・ヴァージ…
「彼の名はリュウ。」と始まるプロローグは、ある奇術師を紹介し、彼のやってのけた、ハリー・フーディーニさえ試みなかったような「一大奇術」を、このように紹介して終わる。 「まず第一に彼は、ある殺人犯人に対して復讐をなしとげた。/第二に彼は殺人を…
ポール・チェンバースの『BASS ON TOP』で、ケニー・バレルのギターを聴いて以来、彼のリーダー・アルバムを聴いてみたかった。「You Should be So Nice to Come Home」や「Dear Old Stockholm」でのギターが印象深かったから、というだけなのだが。 バレル…
十数年前、スティーヴン・スピルバーグ監督による映画化も相俟って、恐竜ブームを巻き起こしたこの小説がふと懐かしくなり、読み返してみた。1991年、原書刊行年のうちに邦訳。文庫は二年後、1993年3月に刊行されたが、読み返そうと思いたってつい先週買っ…
ブエノスアイレスで開かれた「イズラフェル協会」の総会。世界各国からそこに集ったE・A・ポオの研究者のうち、ドイツ人の男がホテルの自室で刺殺された。部屋は内側から閉ざされ、死者は不自然な姿勢を取っていた。 ブラジル人作家フォーゲルシュタインは…
ビリー・ワイルダー監督の映画『シャーロック・ホームズの冒険』(1970 米)の小説化。1974年に邦訳され、今も書店に並んでいる。ホームズ・パロディにしても、ノヴェライゼーションにしても、ロングセラーと言っていいだろう。 ホームズ聖典の長篇同様にコ…
映画は好きなほうだとは思うけれど、シリーズものとなると、あまり熱心にフォロウしてはいない。数少ない例外のひとつが《インディ・ジョーンズ》のシリーズだが、この20年ぶりの新作には、「インディも結構な歳だよなあ」と思うと、どうも見ようという気…