2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿

1908年に刊行された、アルジャナン・ブラックウッドによるオカルト探偵ものの古典。コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの生還』が1905年の刊行であり、やはりジョン・サイレンスにも、どこかしらホームズの影が見えるような印象を受けた。ホームズも…

『クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ』

つきあいがなまじ長いせいか、ミステリについて書こうとすると、あれこれ考えてしまうのですが、ジャズは聴きはじめてようやく一年、初心者なだけに「聴いて感じたことを書いてみよう」というだけの、文字どおりの感想を書いています。ジャズ通の人たちには…

幻想探偵 異形コレクション

『幻想探偵 異形コレクション』井上雅彦監修 光文社文庫 2009 ぼくがホラーにはまったのは、アメリカでホラーがブームになった1990年代によく出版されていた、ペーパーバックの書き下ろしホラー・アンソロジーでした。追ってこの《異形コレクション》が始ま…

猫の匂いのする侍

『猫の匂いのする侍』芦川淳一 双葉文庫 2009 『若竹ざむらい』に続く《おいらか俊作江戸綴り》の第二巻。主人公も作品の色調も陽気で、爽快なシリーズなので、続きを楽しみにしていました。 五章立ての連作長篇で、あちこちにミステリ味が利かせてあり、滝…

ミステリが好きな人々のために

このブログで感想を書く本には、いちおう「ミステリを中心とした翻訳書と、その周辺」という基準を決めています。「翻訳書」というのが最重点なのは、単なるぼくの好みなのですが、「周辺」のほうは、出合った本によりけりで、都合よく解釈しています。 その…

十の罪業〈RED/BLACK〉

これは個人の趣味でしかないのだが、海外のミステリはもちろん、アンソロジーも、中篇小説も好きだ。だから、エド・マクベイン晩年の大仕事 TRANSGRESSIONS は、原書の存在を知るや、邦訳を楽しみにしていた。アメリカでもトップクラスの作家十名の、長さや…