2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

瀬戸川猛資『夢想の研究』

この本の「まえがき」に、こんな言葉が引用されている。 半ぶん大人の少年か 半ぶん少年の大人が ひとときなりとも楽しめればと 下手な趣向を凝らした次第 コナン・ドイルの『失われた世界』の巻頭にある四行詩だ。この「まえがき」に書かれているように、こ…

スティーヴン・キング『悪霊の島』

読んでいるあいだに、昔のことを思い出した。 探しても探しても見つけられなかった『シャイニング』が文庫になったときは、狂喜しながら飢えたように読みふけった。 長らく邦訳を待っていた『IT』の、巨大な上下巻を抱えて帰り、コーヒーをかぶ飲みしなが…

ドラキュラ二題

この夏にリリースされた廉価版ジャズCDの中に、フィリー・ジョー・ジョーンズの『BLUES FOR DRACULA』(RIVERSIDE)があった。〈収録曲〉1 Blues for Dracula / 2 Trick Street / 3 Fiesta / 4 Tune-Up / 5 Ow! 〈パーソネル〉フィリー・ジョー・ジョーン…

宮沢賢治を読む

子供の頃、少しだけ読んだ記憶のある宮沢賢治の作品を、読み返したくなった。 きっかけになったのは、ひらいたかこさんと磯田和一さんの『イーハトヴ、イーハトーボ 賢治の居た場所』(河出書房新社 1996)。《旅の絵本》シリーズ(東京創元社)でヨーロッパ…