2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

月と六ペンス

《諸君は実在する秘密諜報部員やスパイを扱った小説や映画は好きだろうか。諸君はゴーギャンの絵やゴーギャンの人生に関心をもっているだろうか。諸君は男が女に愛想をつかす理由や、女が変わった男に惹かれる理由、さもなくば男が女にすがる理由に興味があ…

『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』

ここ何日か、『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション[+1]』(ユニバーサル、2007)ばかり、繰り返し聴いている。〈収録曲〉ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ/レッド・ペッパー・ブルース/イマジネーション/ワルツ・…

怪談

先日、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品を、佐野史郎さんが朗読するステージを見た。そういえば、ながらく読み返していないな、と思って、岩波文庫の『怪談』(平井呈一訳)を買ってみた。 初版が1940年。今、書店に並んでいるのは、1965年(第27刷)…

デューク・エリントン『MONEY JUNGLE』

ジャズを聴きはじめる前から、なぜかデューク・エリントンだけはベスト盤ながらCDを持っていた。ビッグバンドのスイングが好きで、こと、かの名曲「A列車で行こう」は、繰り返し聴いたものだった。 急に、そのエリントンが聴きたくなったのは、気が沈んで…

夢の漂泊者〜小泉八雲、旅路の果てに

去る6月7日(土)、原宿EX'REALM で開かれた、「夢の漂泊者〜小泉八雲、旅路の果てに」を見にいきました。 佐野史郎さんによる小泉八雲作品の朗読と、山本恭司さんのギター演奏のコラボレーション。「耳なし芳一」を中心に、短い作品で構成した朗読と、時…

レッド・ガーランド『マンテカ』

ジャズを聴きはじめた、とは言っても、聴いているのは今のところ、どれも半世紀ほど前のもの。いま現在の、新しい人のジャズはまだ聴いていないな、と思い、ヨーロッパのあるサックス・プレイヤーの新譜を聴いてみた。ジャンゴ・ラインハルトやデューク・エ…

『ラヴクラフト傑作集』など

高校生の頃に、S・D・シフ編のアンソロジー『マッド・サイエンティスト』(創元SF文庫)で、H・P・ラヴクラフトという作家の「冷気」という短篇に出会った。それ以来、彼に惹かれて、もう四半世紀たったことになる。 当時は、ラヴクラフトの邦訳は少な…