2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

片倉出雲『鬼かげろう 孤剣街道』

すべての記憶を失った男。持ち物は、四と二の目しか出ないイカサマ賽と、体が覚えた手裏剣術だけ。国定忠治から「四二目の蜉蝣」の名を受け渡世人となった彼は、群がる刺客たちを倒しながら、なくした記憶を取り戻し、四二目の賽の謎を解く旅に出る。 謎の作…

マーク・ストレンジ『ボディブロー』

元へヴィ級プロボクサーのジョゼフ・グランディは、ヴァンクーヴァーの高級ホテルの警備責任者。経営者レオの信頼が篤いのは、八年前に身を盾に彼の命を救ったからだ。レオの愛人だったメイドが殺され、犯人捜しを命じられたジョゼフは、図らずもレオの過去…

マイクル・コナリー『死角 オーバールック』

深夜、展望台で射殺された医学物理士。彼の勤務先の病院から消えた放射線治療用のセシウム。テロリストの仕業か? FBIの介入を受けながらも、ロス・アンジェルス市警の刑事ハリー・ボッシュは真相を追う。 雑誌に短期連載されたもので、コナリーにしては…

倉庫番の年末

ブログを休んでいるあいだに、こんなことを考えていた。 「一個人が読んだ本について書いた文章を公開することに、どんな意味があるのか」と。 趣味のうちなんだから、意味など考えることはない、とは思う。だが、少しは役に立っているだろう、と思えること…

第一回〈ボクシング・ミステリ〉大会

ボクシングが好きで、ミステリの題材になっていると、それだけで嬉しくなる。こと近年、自分でサンドバッグを打ったり、試合を見にいったりするようになると、さらに面白くなってきたように思う。そこで、ボクシングがらみのミステリで、ぼくが好きなのを、…