2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャニータ・シェリダン『金の羽根の指輪』

『翡翠の家』『珊瑚の涙』に続く、新進作家ジャニス・キャメロンと、義姉妹リリー・ウーが活躍するミステリ・シリーズの第三作が邦訳された。 マウイ島の牧場主ドンが行方不明に。妻レスリーの留守中、いとこのハワードは相続権を盾に、牧場を我がものにしよ…

トマス・H・クック『沼地の記憶』

翻訳ミステリの読者の中でも、ぼくは「へそまがり」なほうなのだろう。これまでトマス・H・クックの小説を読まないでいたのだから。「純文学寄りで重い小説だろう」と思い、敬遠を決め込んでいたのである。だから、この『沼地の記憶』で、初めてクックを読…

映画『ウルフマン』

実にオーソドックスな狼男もののホラー映画だ。オリジナル脚本がカート・シオドマクというから、1941年の『狼男の殺人』(これはTV放映時のタイトルだとか。『狼男』としてDVDリリースされている)のリメイクなのだろうか。そちらは見た記憶がないので…

団鬼六『悦楽王』

《この世は夢よ、ただ、遊べ。/日本のエロに衝撃を与えわずか3年で華と散った伝説の雑誌『SMキング』。官能小説の王者が明かす70年代・痛快自伝的小説》(帯より) 最初のページで目にとまるのは、「ヒッチコック劇場」の文字。えっ、団鬼六が「ヒッチコッ…