2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「モルグ街の殺人」

ガストン・ルルーは『黄色い部屋の謎』(1907)で、この事件が「モルグ街の殺人」や「まだらの紐」以上のものである、としたうえで、少年探偵ルールタビーユにホームズを揶揄させている。これはきっと、アーサー・コナン・ドイルが『緋色の研究』(1888)で…

(前置き)

本題に入る前に、御礼を。 この『暢気倉庫通信』をはじめたのが、3月22日。アクセスカウンターを設けたのが、リー・モーガンの『Rumproller』の感想を書いた5月29日で、2ヶ月ほど後のことになります。 昨日、アクセスが10,000を超えているのに気づきまし…

ビル・エヴァンス・トリオ『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』

〈収録曲〉グロリアズ・ステップ(テイク2)/マイ・マンズ・ゴーン・ナウ/ソーラー/不思議の国のアリス(テイク2)/オール・オブ・ユー(テイク2)/ジェイド・ヴィジョンズ(テイク2)■ボーナス・トラック:グロリアズ・ステップ(テイク3)/不思議の…

ポール・オースター《ニューヨーク三部作》

ジャック・ロンドンの『火を熾す』(スウィッチ・パブリッシング)を読んだら、巻末に、《COYOTE》という雑誌の広告が載っていて、それを見て驚いた。その雑誌のある号に、ポール・オースターの CITY OF GLASS が柴田元幸さんの訳で、『ガラスの街』として掲…

ビル・エヴァンス『EXPLORATIONS』など

ビル・エヴァンスの『PORTRAIT IN JAZZ』の新しい版が出ている、と聞いたので、しばらく探していたのだが、ついこのあいだ、ようやく手に入った。《収録曲》Come Rain Or Come Shine (Take 5) / Autumn Leaves / Witch Craft / When I Fall In Love / Peri's…

星新一『ボッコちゃん』など

ふと思い立って、星新一の『ボッコちゃん』を読んでみた。 新潮文庫 2007年89刷(1971年初版) 「星新一のショートショート」と聞くと、中学生くらいの頃に熱中したなあ、という人は多いことだろうし、ぼくもその頃、やはりよく読んだものだった。が、二十代…

野性の呼び声/海の狼

短篇集『火を熾す』が面白かったので、ジャック・ロンドンの作品を続けて読んでみた。アメリカ文学という言葉のもと、やや堅苦しい扱いをされている彼の作品だが、『火を熾す』に収録されたものは、彼が生活のため、一般向けの雑誌に書いたものだったわけで…