ミステリが好きな人々のために

 このブログで感想を書く本には、いちおう「ミステリを中心とした翻訳書と、その周辺」という基準を決めています。「翻訳書」というのが最重点なのは、単なるぼくの好みなのですが、「周辺」のほうは、出合った本によりけりで、都合よく解釈しています。
 その範疇に入らない本については、偶に書いてみるくらいにしています。手を広げすぎると、収拾がつかなくなってしまうことでしょうから。
 好きで読みはするけれど、ミステリに比べて読んだ数が少ない分野のものは、ろくな感想が書けない。たとえば時代小説だと吉川英治池波正太郎藤沢周平、SFではアシモフやクラーク、ハインラインといった人たちの、名作と呼ばれるものでも、片手に数えるほどしか読んでいないとあっては、感想を書いても恥をかくばかりでしょう。
 でも、とても面白い本を読んだのに、「自分のルールに合わないから」というだけで、ご紹介しないのは馬鹿馬鹿しい。海外のミステリだけは、それなりに読んできたものですから、ならば、ぼくと同じ海外ミステリの好きな人たちが面白がりそうなものなら、ご紹介してもいいのではないか、と思った次第です。
 そんなわけで、今回から、少し手を広げてみたいと思います。