ジャズ初心者の名盤探し(3月)

 ビル・エヴァンスからはじまって一か月、ひとまわりしたような感じで、エヴァンスに戻ってきた。

ビル・エヴァンス / ワルツ・フォー・デビイ[+4]

〈収録曲〉マイ・フーリッシュ・ハート/ワルツ・フォー・デビイ(テイク2)/デトゥアー・アヘッド(テイク2)/マイ・ロマンス(テイク1)/サム・アザー・タイム/マイルストーンズ/ワルツ・フォー・デビイ(テイク1)*/デトゥアー・アヘッド(テイク1)*/マイ・ロマンス(テイク2)*/ポーギー(アイ・ラヴズ・ユー、ポーギー)* (*はボーナストラック)

〈パーソネル〉ビル・エヴァンス(p) スコット・ラファロ(b) ポール・モチアン(ds)*1961年6月25日 ニューヨークにてライヴ録音

 植草甚一さんのレビューが再録されていて、エヴァンスのピアノが、遊びたくてしょうがないような調子のいいときにはピンとこなくても、疲れてグッタリとなっているときには、心に強くはたらいてくる、というようなことが書かれている。たしかに、このアルバムも、どの曲もやさしい。ことに、仕事帰りに聴くタイトル曲は、胸に響く。

 さて。
 ある土曜日、所用あって銀座に行き、夕方に山野楽器をのぞいてみたら、CDのワゴンセールをしていた。二枚買ったら一枚おまけがつく、というので、つい買ってしまったのが、この二枚。

オスカー・ピーターソン・トリオ/ナイト・トレイン

〈収録曲〉Cジャム・ブルース/ナイト・トレイン/我が心のジョージア/バグス・グルーヴ/モーテン・スイング/イージー・ダズ・イット/ハニードリッパー/昔はよかったね/アイ・ガット・イット・バッド/バンド・コール/自由への賛歌

〈パーソネル〉オスカー・ピーターソン(p) レイ・ブラウン(b) エド・シグペン(ds) *1962年12月16日ハリウッド、ラジオ・レコーダーズにて録音

「夜行列車」というタイトルに惹かれた。ジャズらしいジャズばかり十一曲、うち四曲がデューク・エリントンと、ぼくみたいな初心者にも楽しく聴ける選曲。「ファンキー」ってこういう感覚なのかな、と、ちょっとわかったような感じがした。ブルージーな曲もかっこいいし、レッド・ガーランドも弾いている一曲めの、また違う乗りも心地よい。そのうえ、最後の曲の胸にしみること!


チャーリー・パーカー/ナウズ・ザ・タイム [+1]

〈収録曲〉ザ・ソング・イズ・ユー/レアード・ベアード/キム(別テイク) /キム/コズミック・レイズ/コズミック・レイズ(別テイク) /チ・チ(別テイク) /チ・チ/チ・チ(別テイク/追加曲) /チ・チ/アイ・リメンバー・ユー/ナウズ・ザ・タイム/コンファーメーション

〈パーソネル〉チャーリー・パーカー(as) ハンク・ジョーンズ(p) アル・ヘイグ(p) テディ・コティック(b) パーシー・ヒース(b) マックス・ローチ(ds) *1952年12月30日、1953年8月4日ニューヨークにて録音

 聴きはじめたときは、チャーリー・パーカーはどうもよくわからなくて、わからないなりに繰り返し聴いていたが、晴れた朝に聴いてみたら、なんだか急に心地よくなった。それ以来、このアルバムはよく聴くようになっている。「チ・チ」という曲が四回も入っていて、同じ曲なのにどれも違うのが面白い。

 この二枚を買って、『サラ・ヴォーン ウィズ クリフォード・ブラウン』を貰ったのだけれど、感想はまたいずれ、あらためて。