モダン・ジャズ・カルテット『コンコルド』

 ここ二か月あまり、このアルバムばかり聴いている。
 聴きはじめたときは、ヴィブラフォンの音が響きすぎるように思えて、どうも肌に合わなかった。だが、繰り返しているうちに、この音がピアノを引き立てているように聴こえてきた。さらに、このヴィブラフォンが脇にまわったときは、ドラムスやベースが引き立つようで、リズムが不思議ほど心地よくなってきた。
 でも、聴き方の勘所がつかめないようで、ときどきもどかしくなる。もどかしいから、ひととおり聴いたあと、最初に戻ってまた聴く。何回かに一回は、たとえようもなく素晴らしい演奏に聴こえることがある。
 たしかに名盤だろう。まちがいなく、かっこいい。「朝日のようにさわやかに」は、ソニー・クラークポール・チェンバースの演奏と聴き比べてみても、MJQのが好きだなあ、と思う。でもまだ、よくわからない。エリック・ドルフィーみたいに、わからなくてもいいんだ、と居直って聴くほど難しくはないのだが。
 もうしばらく、繰り返し聴くことになりそうだ。
〈パーソネル〉ミルト・ジャクソンヴィブラフォンジョン・ルイス(ピアノ) パーシー・ヒース(ベース) コニー・ケイ(ドラムス)1955年7月2日 ニューヨークにて録音
〈収録曲〉1 ラルフズ・ニュー・ブルース / 2 オール・オブ・ユー / 3 四月の想い出 / 4 ガーシュウィン・メドレー(フォー・ユー、フォー・ミー、フォーエヴァーモア〜ラヴ・ウォークト・イン〜アワ・ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ)/5 朝日のようにさわやかに / 6 コンコルド
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/modern_jazz_quartet/ucco5030.html